数学の答案のエチケット(4)

はっきり言って、簡単な問題でも、きちんと差は出る。

じゃあ、大学が、難しい問題を出題する理由は、何だろう。

一つは、難しい問題の方が、落ちた受験生が納得しやすいってこと。
先の問題でも、多くの受験生は、実際には2点の評価なんだけど、5点とったと勘違いしている。
難しい問題であれば、そういうのを説明する手間が省ける。

あと一つは、難しい問題であれば、受験生の「自己紹介」だけでなく「志望動機」も見えること。
簡単な問題だと、受験生の「過去」で解けちゃう。だから、受験生の「将来」が見えにくい。
難しい問題だと、受験生が「過去」を踏まえて、新たな視点を設定する。だから、受験生の「将来」を評価しやすい。

数学の答案で表現すべきは、受験生の「過去」と「将来」。
具体的には、「自己紹介」「志望動機」だ。
「正解」が書かれているか、なんてのは、どうでもいい。
だって、入試問題なんて、採点者からすれば「正解」があるのは当然だから。そんなの書いても、評価されないよ。
採点者が知りたいのは、どちらかといえば、問題を見出す能力だ。

「自己紹介」と「志望動機」を表現してない数学の答案は、ゴミでしかない。

簡単な問題だと、「自己紹介」の比重が大きくって、「志望動機」が見えにくい。
難しい問題だと、「志望動機」の比重が大きくなる。将来何がしたいんだ、ってこと。

大学が難しい問題を出題するのは、その人の「将来」を知りたいっていうメッセージだ。

じゃあ、受験生として、そのメッセージに、どのように応えるんだ?