数学の答案のエチケット(2)

数学の答案では、一般的には論理性が問われます。

論理性と言えば、三段論法。
大前提、小前提、結論、ってやつ。

大前提は、一般的に成り立つもの。例えば、「人は死ぬ」ってこと。
小前提は、今回の事案に関連するもの。例えば、「ソクラテスは人である」ってこと。
結論は、大前提に、小前提をあてはめたもの。「よって、ソクラテスは死ぬ」ってこと。

先の問題でいうと、全部で5点だったら、だいたい次のような配点になるでしょう。
答えが合ってるのは、「小前提」の評価に含めるでしょうね。

それで、先ほどのみんなのメモを採点したら、大前提がない。
つまり、この問題を離れて、一般的な抽象論が無い。
そうすると、採点したら、2点くらいになる。

自分では5点とっているつもりだけど、実際には2点しか取れていない。
残念だけどね。

数学では、このような自覚なく落としている点数って、実は多い。

そういう観点からすると、「解の公式」を利用した答案の方が、評価は高いだろう。

ただ、油断しちゃいけない。
このように書いても、「解の公式を暗記しただけだろう」って批判がある。
だから、この答案では、大前提の部分は満点でない。
そうすると、トータルでは、せいぜい3点かな、って感じ。

こんな問題、ふつうは簡単だと思うだろうけど、きちんと解くのは難しいんです。

数学の答案のエチケット(1)

最近、高校生に講義する機会が増えてきました。

まぁ、私は男子校出身だから、恋愛のエピソードなんて、まるで無し。

高校生の頃は数学ばかりしていたので、自然と数学の話になっちゃいます。
例えば、こんな話です。

まず、3分くらいで次の問題を解いてもらいます。

まぁ、高校生だったら、9割くらいの人が余裕で解いちゃいます。

ただ、こんな感じのメモのようなコメントばかり。

で、6割くらいが「こんな問題、解かせやがって。時間の無駄だ」と。
イカリのモードで、私をにらんでます。

ただね。こういう問題って、本当に差が出るんです。

今回は、そういうお話です。

はじめまして、IPtellerです。

最初は、事務所の名前「IPteller」について、つづりたいと思います。

Storytellerは、物語(story)の語り手です。
物語は、人々の間で語り継がれていきます。

私も、知的財産(Intellectual Property, IP)を言葉で表現して、知的財産が人々の間で語り継がれるように導いていきたいと考え、名づけました。

知的財産は、大きく2つの種類に分かれます。
一つは、知的創造物についての権利。もう一つは、営業標識についての権利。

知的創造物についての権利は、基本的には、社会に新しい価値を提案することによって、社会に貢献するものです。特許・実用新案・意匠・著作権、などです。

営業標識についての権利は、消費者が商品/サービスなどに寄せる信頼を保護するものです。商標、商号などです。

知的財産は、
目に見えないアイディアを生み出すことに加えて、
これをどのようにして世の中に紹介するか(送り手の悩み)、
これに対する消費者らの信頼をいかに保護するか(受け手の悩み)、
というのが重要です。

私は、弁理士の大きな仕事の一つは、
発明者などのアイディアを生み出した人を主人公として、
そのアイディアを世の中に紹介する導き手になることだと考えています。

物語は、例えば次のように展開します。
(ドナルド・ミラー著,”ストーリーブランド戦略”など参考。)
1.主人公の登場。
2.主人公が問題に直面。
3.導き手の登場。
4.導き手が主人公に計画を提示。
5.主人公が具体的に行動。

弁理士が依頼者に出会うタイミングは、だいたい2か3のところです。
アイディアはあるんだけど、それを、どのように世の中に伝えたらいいかわからない・・・という状況です。

私たちは、弁理士として、そのような悩みに直面した依頼者に寄り添い、これからも活動をしていきます。